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示唆

 村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。3回目の挑戦にして、ようやく読み終えた。「これが一番好きだ」という人がいるのも頷ける。村上春樹の構築する喪失感に、心が無意識に呼応してしまう。それは、山本直樹が構築する世界観と似ている。

「それよりは今すぐぐっすりと眠りたい。二時半になったら起こしてくれないか。それまでは僕のそばに座って、僕が眠っているのを見ていてほしいんだ。かまわないかな?」「あなたがそう求めるのならね」と彼女は微笑みを顔に浮かべたまま言った。「何よりもそう求めているよ」と僕は言った。
 それにしても、なぜ読むのにこんなに時間が掛かったのだろう。最初に読んだのは、確かまだ高校生の頃だった。その次が、大学に入った直後。そのどちらもなぜだか読み終えることができなかったのだ。そして、3回目。読み始めたのは社会人を控えた学生最後の春休み。読み終えたのは社会人になってからだった。

「君を失うのはとてもつらい。しかし、僕は君を愛しているし、大事なのはその気持のありようなんだ。それを不自然なものに変形させてまでして、君を手に入れたいとは思わない。それくらいならこの心を抱いたまま君を失う方がまだ耐えることができる」
 とにかく、世の中は多くの示唆に満ちているのだ。

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